3M悠々クラブ“ウォーキングの会”
“2023年2月8日赤羽のスリバチ街を巡る”報告
2023年2月9日
川俣裕章
東京には、摩訶不思議な谷間や窪地が数多く存在することはあまり知られていません。それらは山間部で見られる山や谷といった類のものではなく、平らな土地をスプーンでえぐり取ったようなU字型の特徴的な地形で「スリバチ状」と形容するのが相応しい類のものです。赤羽というと、昼飲み・せんべろで有名ですが、同じくスリバチ形状の街としてウォーキングを楽しむことが出来ます。
2月8日(水)10:00にJR赤羽駅南口に集合ということで、今回は退職したばかりの中山雅史さん及び奥様に参加頂き、総数20名のウォーキングとなりました。
最初に訪れたのは稲付城跡です。現在は清勝寺の境内ですが、戦国時代には太田道灌が築城した稲付城があったとのこと。赤羽駅南口を西に出てすぐに広い道(昔は日光御成道といい江戸時代に将軍が日光に参詣する道として整備された)に出て、道を渡って左に少し行くと急峻な崖と、崖にはりつくように斜面を上る石の階段が見えてきます。その石段を上がると稲付城跡です。地形的には三方向を急な崖で囲まれた、まさに天然の要塞で城に相応しい地勢に思えます。
清勝寺を出て、上がってきた参道とは反対側へと進むとすぐに崖を下りる急な階段が待っています。慎重に階段を下りながら、景色を楽しむことが出来ます。とくに赤羽は反対側台地が近いため、凹凸地形を把握しやすいです。
階段を下りて左に行くと三日月坂が見えてきます。この坂はとても急で斜度は20度あるとのこと。登り切って振り返ると谷間を俯瞰する絶景が広がります。対岸の丘では高層のアパート群が谷間を見下ろしています。三日月坂から香取神社に向かう途中にも階段があります。
三日月坂から約10分で香取神社に着きます。ここも稲付城跡と同じく、岬状の台地突端にあり、境内が崖で縁取られているため絶景スポットとなります。
香取神社から下り、谷間の街へと下りてゆくと曲がりくねった路地が複雑に絡んだ街が続きます。しばらく行くと北向きの斜面を整備した清水坂公園に着きます。公園内に「自然ふれあい情報館」という山小屋風建物があり、その裏に湧水を溜めた池が見られます。
清水坂公園を上がってから、公園を出て、狭い道を下り上りすると稲付公園に着きます。高台にあるこの公園は、見晴らしもよく、野鳥の声のこだまする静かな公園です。
稲付公園を出て高台の閑静な住宅地からしばらくアップダウンを繰り返しながら歩くと、スリバチ状の谷間を公園化した赤羽自然観察公園に着きます。赤羽とは思えない自然豊かな場所です。園内には、浮間地区にあった江戸時代の民家・旧松澤家住宅が移築されています。
自然観察公園の北口を出ると、そこが赤羽緑道公園の入り口です。ここは台地の上に造られた陸軍兵器支廠へと物資を運ぶために築かれた軍専用の貨物線の廃線跡を公園として整備されました。
緑道公園をずっと歩くと最後は鉄道にぶつかります。そこからすぐに赤羽駅北口に到着しました。所要時間は約2時間。9000歩のウォーキングでした。
次回は「湯島天神・根津千駄木コース」です。
日 時:2023年3月9日(木)10時集合 雨天決行
集合場所:地下鉄千代田線湯島駅出口A3
白梅で有名な湯島天神梅まつりを堪能後、根津駅に移動し、木造の由緒ある根津教会を見て、1706年将軍綱吉によって社殿が造営された根津神社を見学、その後夏目漱石の旧居跡を見て、高さ6m以上の駒込大観音を参拝します。その後、亡くなるまで30年間過ごした森鴎外記念館に入館し、森鴎外の人となりや、多くの展示品を見学します。
湯島駅-湯島天神-湯島駅-根津駅-根津教会-根津神社-漱石旧居跡-駒込大観音-森鴎外記念館-千駄木駅にて解散
記事 川俣裕章